アリータ: バトル・エンジェル

とても楽しみにしていたアリータ: バトル・エンジェル。これは木城ゆきと原作の「銃夢」という日本の漫画をもとに作られた作品。SF、サイバーパンクものを描いた1990年の作品ですが原作でのアリータの名前は「ガリィ」。英語で峡谷という意味のgullyと被るってしまうため「アリータ」 と変更したようです。ここまで書いておいて私は原作未読でした()。探したんですけどなかったんですよねぇ。とか書きながら調べたらkindle版第1巻が無料ですよ!(3月7日時点) というわけで一巻のみ読んだのでそれを踏まえてレビューしていきます。

あらすじ

テクノロジーが発達し自らの身体を機械化するのも珍しくない世界。過去の戦争により唯一の空中都市となったザレム。その下にはザレムのゴミが無造作に投げ捨てられ、スラムが広がり強固な階級社会が出来上がっていた。そんなスラムでボランティアで治療をしているサイバネティクス医師のイドはゴミ山から脳だけが無傷のサイボーグを見つけ、彼女に身体を与えアリータと名付ける。しかし彼女には記憶がなくスラムで知り合ったヒューゴという少年たちと共に記憶を探っていく。

造形デザインが美しい!

まず最初に圧倒される造形デザイン!SFはビジュアルありき(スターウォーズep4しかり)だと思っているのでとりあえずここクリアしてくれれば私は満足です笑。イド博士にボロボロの状態で発見されるアリータですが、第1形態とでも言いましょうか最初に与えられるボディの美しさはもはや常軌を逸しています。サイバーパンク好きはもちろんアンティーク好きにも痺れるデザインだと思います。装飾の一つ一つに目を奪われ、一挙手一投足すべてが美しいです。鏡の前で機甲術(パンツァークンスト)の型を披露しますが映画前半の見せ場であるのは間違いないです。サイボーグボディの動きとデザイン、アリータの凛々しさが強く印象的です。水に濡れる表現も彼女の違った雰囲気を見せます。

: Fox Movies

アリータの(一部では不評の笑)大きな瞳も最初こそ違和感がありましたがすぐに慣れます。記憶のないアリータは初体験の連続に活き活きとリアクションをしてくれますが、その姿は普通の女の子そのものです。むしろちょっとアホの子で異常に喧嘩っ早いです。美味しい食べ物を食べてはキャッキャする姿はとても可愛いらしいです。

アリータの豊かな感情

本当にたくさんの表情を見せてくれる忙しないアリータですがローサ・サラザールの演技がとても光っています。モーションキャプチャーの技術の発展にも驚くばかりです。YouTubeのメイキングで彼女の演技とそれを支える技術の融合が見ることができます。なんだかロマンに溢れる映像。ヘッドギアを使っての演技に最初は戸惑ったようですがあっという間に慣れてしまったようですね。

Alita: Battle Angel | Behind the Scenes with WETA | 20th Century FOX

原作との違い

つい先ほど銃夢第1巻を読み終えたんですがデザインの共通点の多さに驚きました。建築物やキャタクターなどのデザイン、映画中にある印象的なセリフやシーンの多くは原作からの引用でした。木城ゆきとさんのデザインがいかに画面映えするかよくわかります。原作ファンは30年越しの映像化としてはかなり期待に応えられていると思います。

共通点が多いのと同時に大胆な設定の改変がありました。アリータの名前由来、イドのバックグラウンドなどストーリーラインに大きく影響するものです。原作ではアリータやイド博士の行動原理など少しわかりにくく物語の進行速度も結構早めです。攻殻機動隊やBLAME!のような練りに練りまくってシロウトにはもはやついていけない(笑)世界観というわけでもなくあくまで娯楽作品といった趣きでした。

そういうわけで今回の映像化に向けて登場人物の行動原理を理解できるエピソードの挿入してくれたのは大変良い改変だと思います。新規の観客でも確実ににとっつきやすくなっています。それでもちょこちょこ「えぇ…(困惑)」となるような行動はありましたが、少なくとも映画として成立するプロットを作り上げていると思います。

クセのある登場人物たち

クリストフ・ヴァルツ演じる夜な夜なスレッジハンマーをぶん回すイド博士や、誰かを不幸にするために生まれてきたようなマハーシャラ・アリ演じるベクターなど登場人物は曲者揃い。

中でも私が気に入ったのはウェイド・ウィルソンをデッドプールにした張本人フランシスを演じたエド・スクラインのザパンというキャラクター。エド・スクラインという俳優はほんっとうにウザい演技がうまいなと思いました笑。劇中何度「ウザッッッッ!」と思ったかわかりません笑。謎の髪型は置いといてボディのデザインもカッコいい。特に背中のギミックは垂涎ものです。みなさんもきっと観たら「そのヒゲぶちおっちゃるぞオラ!!」となること間違いなし。

少し安っぽさもあるが見どころも多いSFアクションムービー

全体としてはプロットの改良を踏まえても少し弱くありきたりな印象が拭えませんが、それ以上に印象に強く残るシーンも数多くあります。フェチ映画とでもいいましょうか、好きな人はずっと見れそうな映画です。アリータのかわいさにほだされるも良し、アクションに見惚れるのも良し、無駄に豪華な(笑)配役にツッコむも良し、サイボーグのギミックに興奮するも良し。普通なら寝落ちしそうなストーリーにも負けない暴力的なまでの魅力に溢れたエンターテイメント作品でした。日本で生まれたこの物語を是非劇場でご覧ください。

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