オクジャ/Okja

ネットフリックスにて2017年に公開されたオクジャ、2年も経ってしまいましたがようやく観れました。監督はグエムルやスノーピアサーで一世を風靡したポンジュノ。キャストにはティルダ・スウィントン、ポール・ダノ、ジェイク・ギレンホールやウォーキングデッドで知られるスティーブ・ユァンなど有名俳優たちが名を連ねています。スチール写真見てもどれがジェイクかわかんなかった笑。わかんないですよね?笑

この作品は公開されて間もなく高い評価を得ていて、ここあたりからNetflixオリジナル作品の力の入れ具合もグッと高くなっていたように感じます。カンヌ国際映画祭では劇場公開されていない作品は受賞に値しないなんて審査員長の発言が話題になったのも記憶に新しいですが、第91回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「ROMA」もNetflixオリジナル作品です。こうして考えると新時代の到来を感じずにはいられないですね。

あらすじ

とある大企業の食糧難に対する解決策として生み出された26匹のスーパーピッグは世界中の農家に預けられ世界一美しいスーパーピッグを育て上げるコンペに参加させられる。それから10年、オクジャと名付けられたスーパーピッグと、共に育った韓国人の少女ミジャは大企業の策略、動物愛護団体のテロ行為に巻き込まれていく。

世界を痛烈に皮肉るブラックコメディ

一見すると正しい、しかし本当に正しい行いなのか

いやぁ韓国っぽい映画だなぁ~というのが第一印象。全体的にコミカルに描かれますがそこかしこになかなか強めの皮肉を感じます。それは社会に対するものであり、個人にまでも及びます。利益を追い求める資本主義社会、全ての生き物を守ろうとする愛護団体、肥大化したエゴを抱える女社長と博士、そして何も知らない田舎の少女。こうした要素を極めて現実的に、そして冷笑するように描くのがポンジュノ作品らしいなと思いました。

オクジャと幸せな暮らしを望むミジャですがそもそもオクジャは家畜動物。運命は最初から決まっていたのは言うまでもありません。別れたくないからといってオクジャを取り返そうとするのが正しいことなのか。言ってしまえば契約違反でもあるミジャの行動。荒川弘さんの「銀の匙」でも描かれるように家畜との距離は近すぎないほうがいいのかも知れない。しかしそれでいいのだろうか。ポンジュノは物語の中で起きる一つ一つにそれでいいのか?と言わんばかりの画を散りばめていきます。

明るさの中に見え隠れする危うさ

キャラクターたちの描き方も最高にブラック。どの登場人物も多角的に描かれており奥行きがあります。中でも気に入ったのがジェイク・ジレンホール演じる博士の壊れっぷりとポール・ダノのキレ演技ですね。2人とも本当に繊細にクセのあるキャラを演じきっています。特に博士はその性格により、この作品をより一層コメディに見せますがそれだけでは終わらせない彼の内側もしっかりと描いていきます。

まとめ

とにかくポンジュノは世界を冷静に馬鹿馬鹿しく描くのが最高にうまい監督だと思いました。環境破壊に加担してしまうと言って栄養失調になりながらもトマトすら口にできないALFメンバーなどはまさに。前半はまるでトトロのようなほのぼのさを見せるこの映画ですが全体的に冷笑的な視線から物語は描かれ、時には暴力的に現実の姿を如実に描いていきます。

後味はざらりとしていますがハッピーでコミカルなオクジャ。今後のNetflixオリジナル作品にも期待を抱かざるをえない作品でした。しばらくお肉食べるのが億劫になるかもしれませんがおすすめ。笑

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