スパイダーマン: スパイダーバース

: IMDb

最初にティザー映像が公開されてから随分経ったなぁ…なんとIMAX3D(大阪エキスポシティ)での試写会に当選したので一足先に観てきました。道中ソワソワするほど期待していた今作。結論から言えば大満足。というか観足りなかったので吹替版も見てきました!両バージョン、過去の映像作品も踏まえながら感想かいてきます。

まずはスパイダーマンがいっぱいいるってどゆことなんという人に向けて軽い説明を。マーベル作品は色んなキャラクターたちが同一世界に暮らしています。しかしその世界は一つではなく異次元に沢山世界があり、それぞれEarth-⁇⁇といった具合に呼ばれます。

今作スパイダーバースはそれぞれの次元のスパイダーマンがある事件によって一堂に会する。ある世界では女の子だったり、ブタさんだったりするわけです。

ここで付いていけないかも…と思っても安心してください。劇中でしつこいくらいに説明してくれます笑。今作は私たちの知っているスパイダーマンではなく、マイルズ・モラレスというヒスパニック系黒人の少年が主人公。みんなまだよく知らないし初めての人でも安心です。

あらすじ

スパイダーマンの死。能力を持っていながら何もできなかったマイルズは悲しみ、不安に苛まれながら突然、第2のスパイダーマンとなった。そんな中キングピンの実験の影響で異次元から思いがけない人物たちと出会う。マイルズはスパイダーマンとの約束を果たすため彼らと協力し一人前のスパイダーマンとして戦えるよう奮闘する。

駆け出しスパイダーマン:マイルズ・モラレス

今作の主人公はクモに噛まれてから数日しか経っていないひよっこスパイダーマン。シリーズ初のヒスパニック系黒人の少年です。13歳くらいだったはず。幼い。そんな彼はまだ能力を使いこなせずスキルも身に付いていません。コミックブックを参考にトレーニングしてみますがうまくいかない。そんな時に異世界のスパイダーマンたちに出会います。彼の未熟さ、弱さがどうなっていくのか。彼の成長の物語です。

ヒップホップ文化に傾倒するマイルズ

アーロンおじさんとともにグラフィティアートに夢中なマイルズはまさにNY、ブルックリンに住む黒人の少年。劇中流れるヒップホップミュージックのリズムパターンがこれまた気持ち良い。ど定番のサンプルなんかも聞こえてきますね。彼の寮をみても別次元のチャンス・ザ・ラッパーが好きなようですね笑。

: Chance the rapper/ Coloring Book

スパイダーマン史上、最高傑作と言っても過言ではない

もう完璧でした…個人的にスパイダーマンは私のNo. 1ヒーローなのですが、その理由をこれ以上ないほどに示してくれます。公式ツイッターがプッシュする「スパイダーマンは1人じゃない」。このフレーズが全てです。最高のコピーだと思います。本当に全ての瞬間が尊い。正直ダメなところが全く浮かびません。今まで見たことのないアニメーションは息を飲むほど美しい。ストーリーも非常に心を打つ内容でいてコメディ要素もちょうどいい。多様なヴィランとの戦闘でみられる多様なアクションも最高にカッコいい。肩の力を抜いて見られるエンターテイメント作品でありながら非常に高度な芸術作品であるという驚き。アカデミー賞長編アニメーション部門を受賞するのも納得です。

新しすぎるアニメーション

トレーラーを見るだけでも十分にわかりますがこのスパイダーマン: スパイダーバース、映像がすごすぎる。CGアニメーションに時折、まさにアメコミを読んでいるような表現が差し込まれていきます。そしてNYと橋を渡ったブルックリンの対照的な色味、紅く染まった森の中など見るもの全てが美しい。カートゥーン的表現をここまで取り入れていて、それでいてばかばかしくない。どこを切り取っても額に入れて飾りたくなる絵作り。コンセプトアートがそのまま映画になったような印象。裏話ではそれだけにとどまらないこだわりの数々を聞けます。

How 'Spider-Man: Into The Spider-Verse' Was Animated | Movies Insider

ざっくりなんのこと言ってるかというと、マイルズなどまだ未熟なキャラの動きはフレームレートが低く、他のスパイダーマンたちはより高くするなどフレーム枚数によって習熟度の違いを表現していたり、残像をはっきりと写すコミック的モーションブラーやコミックのミスプリント、色がはみ出していたりするのをそのまま映画にも表現していたりするわけです。こだわりすごくないですか?震えるんですけど。笑 画風の違うキャラクターたちが天井をコソコソするシーンは2ヶ月かかってるみたいですねぇ。

胸熱シーンの連続に涙が止まらない

アート作品としてのレベルが非常に高いことを述べましたがそれだけじゃありません。一つ一つのシーンが美しいと同時に尊いんです。冒頭に出てくる振り返るスパイダーマンなんてゾクゾクしました。構図、アートとストーリーの結びつきが非常に強く、見るものは否応なく物語にのめり込み、感情移入が止まりません。いま思い出しても震え立つような演出の連続に言葉もありません。マーベル作品に欠かせないスタン・リーのカメオ出演。スパイダーマンの生みの親ですがここのセリフも胸に刺さります。

数多くの名優たちによる名演技

吹き替えも素晴らしい出来でしたが私がおすすめするのは字幕版。マハーシャラ・アリ演じる叔父さんやアトランタやビールストリートの恋人たちに出演するブライアン・タイリー・ヘンリーの優しさ溢れる演技はマイルズを優しく包み込み彼のメンターとしての役割を果たします。キングピン演じるリーヴ・シュレイバーもキングピンの二面性をうまく表現していたと思います。そのほかキャスト陣の演技のどれもがキャラクターにぴったりでした。

スパイダーマンがヒーローとして特別な理由

ヒーローというと圧倒的なパワー、知恵、正義感など完璧さやある種の神を連想します。しかしスパイダーマンはその限りではありません。もちろんスパイダーマン独自の能力や才能が秀でているのは言うまでも無いですが、スパイダーマンをヒーローたらしめるものは他にあります。私は彼/彼女の真の強さというのは弱さを自覚する事にあると思っています。いつでも等身大で皆と同じように苦しみ挫けそうになる。それでもスパイダーマンは諦めずに立ち上がるんです。どのスパイダーマン作品でもここを表現するシーンのカタルシスはすごい。スパイダーマン2やホームカミングなどが良い例でしょうか。

どんなにすごいヒーローでも1人の人間として地に足ついていて、まさに「親愛なる隣人」。誰でも困っていたら迷わず助ける。誰しもが共感しやすく愛しやすいキャラクターだと思っています。

まとめ

ほんとうにどこを取っても最高すぎる映画でした…語り足りない笑。スパイダーグウェンのバレエシューズっぽいデザインも胸キュンですし吹替版だとより可愛さましてます。スパイダーマンノワールはどっちも渋いですが大塚明夫さんだと「おねんねしてな」という最高のご褒美が聞けます笑。どちらを見ても最高なのは間違いなしですが個人的には字幕版をお勧めします。ヒップホップとの繋がりなどが強い作品ですので英語で聞くとよりホンモノっぽいかなぁと思います。あ!とぜったいにIMAXシアターとか大きいスクリーン、できれば音響も良いところでみると一生の思い出に残りますよ!みてね!

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